INTERVIER

先輩移住者の暮らし

梨農家
横山 堅二郎さん
(兵庫県出身/2013年に移住)

梨園を引き継ぎ、果樹農家として、チャレンジし続ける

1977年生まれ。兵庫県姫路市出身。島根日日新聞の記者になったことをきっかけに農業への関心が高まる。姫路市に戻った後も農業への想いは強く、2013年10月に浜田市ふるさと農業研修生となり浜田市にIターン。1年の研修を経て梨農園を引き継ぎ、就農。現在、ヨコヤマ農園ブランドで、味が濃く 芳醇な『いわみの実』を生産・販売。妻は選果や販売を担当。二児の父。

梨園を引き継ぎ、果樹農家として、チャレンジし続ける

  • 移住のきっかけ

    「果樹を育てることが楽しそうだったんです」と、島根日日新聞の記者をしていた横山さん。ぶどう農家を取材した時、試行錯誤をしながら植物に向き合い、楽しそうに仕事をするその姿に憧れを抱きました。いずれは果樹農家になると心に決め、姫路の実家に戻りますが、なかなか土壌がよく、広く、条件がよい農地に出会えません。果樹は収穫までに最低3年はかかるため、新規参入のハードルは高いものです。

    就農相談のため「新・農業人フェア」等に通ううち、ふるさと島根定住財団を通じて、浜田市の「ふるさと農業研修生育成事業」を知り、応募。月15万円の手当てと家賃補助を受けながら、約1年間、浜田の梨農家で研修を受けました。
  • 移住前の期待値とギャップ

    横山さんは、後継者を探していた研修先の梨園を引き継ぎました。農地は日本政策金融公庫の融資を受け購入。農林水産省の青年就農給付金(年間150万円、最長5年)も活用することができました。「新規就農は大変なことは多いですが、何よりいい梨がつくれているのが嬉しいですね」。設備の老朽化はあったものの、ここでできる梨の味が決め手となり、浜田で専業農家を始めた横山さん。土地や設備の購入費がかさみ、梨の木が枯れる割合も多い一方、選果場として利用できる空き家を見つけ購入、梨の販売先も自分で開拓するようになりました。「ヨコヤマ農園」のデザインも夫婦で考え、商品パッケージや名刺など全てを自分たちで手がけました。
  • 浜田暮らしの良さ

    浜田市でも中山間地域にある金城町に住む横山さん。「夜はすごく静かでよく眠れます。起きたら目の前に緑が広がっていてリフレッシュできますね」と、自然の中での暮らしを楽しんでいます。温泉が多いのも魅力。旭温泉、美又温泉などが近くにあり、仕事帰りに一風呂浴びて、汗を流すこともできます。

    「子育てもしやすいですよ」と二児を育てる妻の裕子さん。保育園も近く、待機児童もいないので安心して子どもを預けられます。「子どもの数が少ないので、一人一人に出番があるのがいいですね」と裕子さんは話します。保育園や学校できめ細やかに目が行き届くのは少人数のいいところ。一方で、多人数での競争がなく、習い事の選択肢は限られるというデメリットもあります。また日用品は安売り店が少ないため、買い物は思ったより高くなりがち。できないことをあげればきりがありませんが、「その土地のいいところをみて、田舎暮らしを楽しんでいます」と、のびのび育つ子どもたちを見つめながら、横山さんは話します。

    地域の人たちの距離の近さも魅力の一つ。いつも梨を買ってくれるご近所さんから直接「おいしい」と言ってもらえることが何より励みになります。地元の産直、道の駅、スーパーや温泉旅館のメニュー、そして都内のレストランやホテルにもヨコヤマ農園の梨が少しずつ並び始めました。知人の協力もあり、広島県内への売り込みも実現。多くの人の協力を得ながら、着実に前に進んでいます。
  • 浜田暮らしのポイント

    「自分のアイデアを実現する場所として、浜田を選んでみてはどうでしょうか」、浜田は家や地価も安く、起業や就農への支援も充実しているため、新たなスタートを切るにはいい場所と、横山さんは実感を込めて語ります。大消費地の広島にも近く、やり方次第で道も広がります。漠然と移住するのはおすすめできませんが、地方の不利な条件も理解したうえで、それでもやりたいことがある人にとって、浜田はとてもいい環境だといいます。

    自分の創意工夫の結果が、梨やお客さんの反応にダイレクトに現れる今の仕事にやりがいを感じている横山さん。アイデアを次々に実践できる浜田でのチャレンジは続きます。
Q&A
  • Q
    自然環境
    自然に囲まれた暮らし。川で蛍が飛ぶ。鮎も泳ぐ。
  • Q
    生活環境
    物価は高め、店が少ない。
  • Q
    子育て環境
    少人数だから、1人1人に目が届き、みんなに出番がある教育。
  • Q
    職場(地域)環境
    就農して、自分がやりたいことをやれる。自分の頑張りが直接お客さんに反映される面白さ。
  • Q
    人のあたたかさ
    近所の人がいろいろ心配して声をかけてくれ、ありがたい。
平日
07:00 ~ 08:30 起床・朝食
08:30 ~ 12:00 梨農園で作業
12:00 ~ 13:00 昼食(お弁当)
13:00 ~ 18:00 梨農園で作業
18:00 ~ 20:00 夕食・入浴
20:00 ~ 22:00 家族のだんらん
22:00 就寝
休日
08:00 ~ 09:00 起床・朝食
09:00 ~ 10:00 子どもたちと遊ぶ
10:00 ~ 12:00 家族でお出かけ
12:00 ~ 13:00 昼食
13:00 ~ 19:00 観光や買い物を楽しむ
19:00 ~ 20:00 外で夕飯
20:00 ~ 22:00 帰宅・入浴
22:00 就寝
移住前後の変化について
  • 移住前
    住所 姫路市
    職業 記者
  • 移住後
    住所 浜田市
    職業 梨農家