活動の背景

私が取り組む「郷土資料整理業務」は、主に浜田地域の100~150年前の行政資料を整理する仕事です。

その資料整理には、資料を読み解くためにその時代の出来事や暮らしなどを学び理解しておくことが何よりも大切なことです。そのため、私は積極的に地域で行われる歴史講座へ足を運んでいます。

今回の活動

今回は3月8日(土)に石見まちづくりセンターで行われた文化講演会「浜田藩『浦方』の成立」を受講してきました。

浜田藩とは約400年前から150年前の江戸時代に石見地方の一部(現在の益田市、浜田市、江津市、邑智郡の一部)を統治した行政組織です。また、浦方は漁業を生業とする漁村地域のことを指しています。

講演会では、この浦方が行政区画の1つとしていつ頃発生したのかを城下町図や役人の記録(=古文書)から探った研究の取組を聴かせていただきました。

浜田藩では、浦方は日本海沿岸部に点在していますが、その中でも東浦(国分・東金・金周布など藩の東側地域)に着目されました。

特に役人の記録である谷田家文書には村民の納税記録が残されているそうで、江戸時代の初め頃から終わりまで税負担率が変わらないことや浦方によって負担していた税の種類が違うなど浦方の特色が見えてくると説明を興味深く聞くことができました。

隊員の感想

私はこれまで江戸時代の暮らしについて、農村について学ぶことが多く、浦方(漁村)について考える機会が少なかったと考え直す機会になりました。

また、漁業のほか農業とは異なる業種を生業とした人の暮らしをより深く学びたいとも思いました。

一方で、今回東浦が取り上げられた理由の1つとして現存する資料があるということでした。

現在整理している資料の中にも谷田家文書があり研究に活用することができますが、浜田藩中心部の資料についてはほとんど残っておらず、史実を証明することが難しい状況です。

資料を後世に残せるようにきちんと整理をしていきたいと強く感じています。

今後の展開

今回は「浦方」から見た江戸時代の浜田を学ぶとともに、参加された多くの方との交流を楽しむことができました。今後も資料をよりよく整理するために、資料の背景を他資料や講演会などを通して学んでいきたいと思います。多くの方が資料を入口にして歴史への関心を持つきっかけづくりを目指していきますので、ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。